APMAコミッショニング委員会と第1回ソウル「2017ソウルライター理論」

2017年5月11日にAPMAの第1回執行委員会が、そして12日にはAPMA執行委員他韓国の多くの音楽創作者や韓国政府関係者等が参加した「CREATORS SEMINAR in Seoul」がソウル市内のホテルで開催されました。APMAの執行委員会では、セミナーで発表を予定していたソウル宣言の内容について活発な意見が交わされました。この日までに各執行委員から提出を受けるなどした、現在のアジア・太平洋地域やそれぞれの国において音楽創作者が直面している問題を整理し、最終的には以下のソウル宣言が採択されました(PDF版はこちら)。

この宣言は、翌日のセミナーで、都倉APMA会長と韓国のユン委員(韓国の著作権管理団体KOMCA会長)が英語とハングル語で読み上げる形で発表され、満場の喝さいをもって受け入れられました。

今後は各国でこの宣言を踏まえ、政府、政策立案者、議員への働きかけ等諸問題解決への動きにつながることを期待しています。

また、この機会に合わせて、APMAからとしてユン委員から、発展途上にある創作者団体を支援するため、モンゴル(MOSCAP)、ベトナム(VCPMC)、インドネシア(WAMI)の各著作権管理団体に対し、業務を支援するためパソコンが5台ずつ贈られ、ソウル宣言の発表に続いて贈呈式が行われました。


ソウル宣言

アジア・太平洋音楽創作者連盟※(APMA)は、音楽創作者をソウルに結集させ、音楽の創作に対する敬意、並びに、我々の文化と価値を維持するための保護の強化を訴えた。

多くの革新的なプラットフォームを通じて音楽を楽しむには最高の時代を迎えている一方で、音楽創作の持続可能性を保証するためには、我々はいくつかの重要な課題に取り組む必要がある。

  1. デジタル時代に音楽への需要がますます高まっているのは喜ばしいことだが、創作者は公正な収入を得られておらず、彼らの努力はしかるべく認知されていない。技術は日進月歩で発達している。音楽の消費形態は劇的な変化を遂げてきている。しかしながら、創作者のための著作権保護の枠組みは、こうした変化に追いついていない。
  2. アジア・太平洋地域では著作権の「バイアウト」がとくに深刻な問題となっている。多くの創作者は、自身の創作物に関し、不本意ながら、一括払いと引き換えに著作権の譲渡契約にサインしている。こうした不公正な状況は改められねばならない。音楽創作者が理不尽に利用されるのを阻止しよう!創作者の努力は公正に報われるべきである。
  3. アジア・太平洋の国々の多くは、依然として著作権の保護期間が著作者の死後50年のままである。保護期間は国際標準に合わせて少なくとも死後70年まで延長すべきである。

われわれは、政府、政策立案者、議員に対し、著作権の「バイアウト」問題の解決、保護期間の少なくとも死後70年への延長、「セーフハーバー」法制濫用の防止等、現状の著作権保護法制の仕組みを改善することを訴える。

※アジア太平洋音楽創作者連盟には15の国と地域:オーストラリア、中国、香港、インドネシア、日本、韓国、マカオ、マレーシア、モンゴル、ニュージーランド、フィリピン、シンガポール、台湾、タイ、ベトナムの団体及び個人が参加している。

 

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