2017年11月6日、東京都渋谷区の古賀政男記念館けやきホール(席数220席)にて、APMA第1回総会が開催された。
それに先立ち、午前中に行われたAPMAの執行委員会では、この日総会で採択された東京宣言の案が承認されたほか、韓国を代表して執行委員を務めているユン・ミョンソン氏が新たに副会長に選任され就任した。今後は、都倉俊一会長の下、ブレンダン・ギャラガー氏との2人副会長制で運営に当たる。
午後の総会は、日本からFCA顧問でJASRAC会長も務めるいではく氏が出席したのをはじめ、アジア・太平洋地域の多くの音楽創作者が出席し、三部構成で行われた。
まず都倉会長が事業報告を行ったのち、東京宣言を発表、満場の喝采をもって以下に掲載のとおり承認された。
続く第2部では、東京総会記念講演と銘打って、次の講演が行われた。
アジア地域における私的録音録画補償金制度立法の可能性」~日本における教訓を踏まえ欧州に学ぶ~」講演者 東海大学 角田政芳先生
著作権制度拡充のため各国で取組むべきこと」講演者 CISACアジア・太平洋地域代表 ベンジャミン・グー氏
さらに第3部で、「APMAの意義」と題するトーク・イベントが行われた。都倉会長、フェレーロCIAM会長と共に、JASRACの協力を得て招聘したまだCISAC加盟の著作権管理団体のないカンボジア、ラオス、ミャンマーの音楽創作者が登壇し、各国の著作権事情の説明に続き、アフリカ、カーボ・ベルデにおいて新たな著作権管理団体が設立された際の経験等が紹介された。このトーク・イベントを通じて、アジア・太平洋地域においてこうした地域を積極的に支援していくことが重要なAPMAの意義のひとつであることをアピールした。
APMA総会終了後には、場所を東京都新宿区のヒルトン東京に移し、総会出席者らによる懇親会が行われた。
東京宣言
アジア・太平洋音楽創作者連盟(APMA)は,今年5月のソウルに続き,音楽著作者を東京に結集させ,改めて音楽の創作に対する敬意,並びに,われわれの文化、そしてわれわれの著作の価値を維持するための保護の強化を訴えた。
ソウル宣言で取り上げた,バイアウト問題の解決,著作権保護期間の音楽創作者の死後70年への延長の必要性,そしてセーフ・ハーバー法制の乱用の防止への3つの取組に加え,さらに次の問題に対処しなければならない。
- 音楽愛好者が自由に享受してきた私的複製に対して,音楽創作者に補償されるべき利用として,私的録音録画補償金制度が生み出され,欧州をはじめとする諸外国では制度化され,運用されてきた。この制度は,アジア・太平洋諸国においても早急な制度化が必要である。
- 映画音楽は,映画を形作る重要な要素のひとつである。しかし,映画産業がどの国においても巨大な娯楽産業のひとつであるにもかかわらず,映画が上映された際に働く上映権について,アジア・太平洋の多くの国・地域においては,映画音楽の創作者に適正な対価還元がなされていない。映画の成功を音楽創作者も共に喜ぶにふさわしい上映使用料の還元がなされるべきである。
ソウル宣言からこの東京宣言へ。問題の抜本的な解決へ向け、われわれは団結し,人類が誇る音楽文化が発展し続け,素晴らしい音楽が継続的に生み出されるよう,社会の理解と協力をバネに,政府,政策立案者,議員に対する働きかけを継続して行う。
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